第1話
オイラが風を呼んでいた

-CALLING IN THE WIND-

脚本:山田隆司/絵コンテ:大地丙太郎



初っ端からアレなんですが。

わたくし、レジェンズを初めて見たのは

第5話

からなのでございます…


しかも録画を始めたのは

第14話

からなのでございます…


ついでに言うなら

第13話で転ぶまでかなり飛び飛びでしかも別のチャンネルで待っていて その上その別番組見て最後までレジェンズじゃない事に気付かないばかりか「今日はドラゴン出ないな」とか 「この緑の髪の男の子がディーノか」などとネットで得たうる覚えな知識で赤の他番組をレジェ



ごめんなさい





そんなわけでレジェンズ第1話を見たのは2004年も終わろうかという時
兄MAXのまとめて再放送で、でした。

感動しました。

某所で「録画しておくべきだったー!!!」
「何で消してしまったんだ自分のバカバカ」
「喉から手が出るほど初期の回が見たいー!!!」

そんな書き込みに混じって悶えていた自分は
どこか背徳的な罪悪感と喜びを抱えつつ視聴したのでございます。


ワクテカしながらその時を待っていると
画面に青空とアルプスの様な白い雪山が。

そしてそこに響き渡るダーク・ウィズ・カンパニーの社歌。

シュールです。

しかも爆破カウントの間に叫ぶ言葉はどう聞いても社歌ではなく社訓です。

ソウルドール確保して喜ぶ社員の声はユニゾンな棒読み。
まるで初めて視聴する子供達に、もしくは初めて視聴する大きなお友達に
喧嘩を売っているかのような不自然さです。

隊長「古文書によればソウルドールは81体あるはずなんだが77個しかなーい!!!」

分かりました。
大きいお友達に喧嘩を売ってるんですね。

そしてハルカてんてー初登場。
噂通りにクレヨン幼稚園児に出てきそうなデフォルメでございました…。

説明文のようなセリフが続く中、
ハルカ先生が宙に浮かぶソウルドールに飛び付きました。
この自らの危険を省みない真っ直ぐなスタンスは第1話から健在でした。

隊長の命ずるまま、次々と落ちて行くDWCの社員達。
でも隊長の後ろで一人だけ未だロープにぶら下がっている社員がいるのがイイです。
素直に指示に従う人もいればその一方で周りに流されず状況判断している人がいる。
違う個性あってこその社会です。

その時何故か突然山が噴火!!
ハルカ先生も愛車のハーレーに跨ったまま宙を飛びます。

なんという事でしょう。
雪山をどうやってハーレーと共に登頂したのでしょう。
吹き飛ばされる皆さんも色々納得が行かないらしく何か叫んでいます。

そんな数々の疑問を物ともせず強引にOPが始まります。

Σ(゚Д゚ll)効果音がねぇ!
てか、坊ちゃんの上着、黒っぽい紫!
なんか別番組見てるようなこの違和感!!

そして坊ちゃん初っ端に顔見せてるのにキャラ紹介はNOW PRINTINGだよ。
しかも火のサーガなのに緑色。
なぜ。

初期のスレッドで絶望した人がいたとかいないとかいう
いわくつきのNOW PRINTINGだよ。

思い返せばシロンのバーサクが見られるのもこのOPだけとなりました。

そしてランシーン。
なぜこのOPでは黒目がちなうるるん瞳で若々しいのでしょう。
おかげで私はどうしてもシロンとランシーンの年が
それほど離れてないような妄想から逃れられませんでした。
シロンも時にもの凄く老けた顔する事がありましたので余計にです。

しまった。
まだOPの段階なのにこんなに長々と書いていてはいけません。

とか思っていたら

いきなり1年後です。


何故1年後でなくてはならないのでしょうか。
私の知らないアニメ界における作法でもあるのでしょうか。

あ。ハルカ先生がハーレーに乗って空からやって来た。

「あ゛〜お腹空いたーお風呂入りたーい゛」

Σ(゚Д゚;) エッ!まさか1年も…?!

トイレはどうしたとか人間の体の限界がどうしたとか
様々な事柄が私の脳裏をよぎりました。

そういうことですか。

つまりこのアニメの発信者である監督は私のように常識に捕らわれた人間に対し
細かい事にこだわっていてはこのアニメに付いてこられないよと
最初から警告なさっていたのです。

ほら、シュウが素振りのバットをハルカ先生に向かって吹っ飛ばしても
誰も空飛ぶバイクに突っ込まない!!

これがレジェンズのルールなのですね。

突然マックさんがシリアスに予言めいたこと言ってもあたしゃ動じないよ。
あ。風が吹いて女の子達のスカートが。
メグには興味のないシュウ。だが敵チームのチアガールには大興奮。

「ムキー!なによー!こっちも見ろよー!!」

だからメグが好きだよ。

初回でキャラの性格付け、人間関係の説明をサクサクとこなしていく脚本。

ここでようやく第1話のテロップです。


うなだれて歩くリキリキリッキーズのメンバーにシュウが
「明日は明日の風が吹く」と励まします。
しかし監督は「今日の風は今日しか吹かない」と返します。

まるで私のようだ。
いえ、日本人特有のネガティブさを監督は訴えたいのかもしれません。

誉めて長所を伸ばすのではなく、叱って欠点を無くそうという考えが
失敗を怖れさせ、やる前にあきらめてしまう今の風潮を

ポジティヴシンキング万歳。

帰宅したシュウに家の前でばったり出会ったサスケパパ。
さりげなくタリスポッドを渡します。

普通ならここで道具の説明やら画面に不釣り合いなリアルCGが来ますが
それがない。

だがそれがいい。

JJの声、妙に高い…。
緊張してるのかな。

時間経過を表現するため雲がもの凄く早く動き、マンハッタンが夜になります。
このシーン、何故か凄く不安になります。
音楽が無いからでしょうか。

普通、子供向けアニメはCMのようにひっきりなしにBGMが流れている物ですが
レジェンズは時々音を全く排してしまいます。
その時感じるのは空虚な閉塞感。

以前、ある番組で聞いたのですが
CMで最も注意を引くのは音の無いシーンだったそうで。
公共広告機構もその法則で印象が強く残るようです。

ここでアイキャッチ入りました。シロンです。

CM明け。今度はグリードーです。

夜が明けていきなり遅刻の危機です。
メグの名セリフ「1話だけよ!」来ました。

学校では子供達がレジェンズバトル。
ウェアウルフとファイアジャイアントです。

ここでシュウがレジェンズバトルをバカにして
それを聞いたクラスメイトがいかに面白いかをとくとくと語ります。

普通は主人公がそれに熱中して説明役に回るのですが
監督はキャラに合わないことはキャラにさせないようです。

そうだよね。
無理しなくていいよね。
人には人それぞれ向いてる事と向いてない事があるんだもんね。

て、シュウ洗脳されてるし。

レアな白いタリスポッドを見てクラスメイトに羨ましがられたシュウは
何だか瞳キラキラです。
父さん自慢のシュウ、嬉しそう…。

思えばシュウの瞳に光が入るのって泣いてる時以外ではこの回ぐらいのような。

「ダボーン」は置いといて、その背後で笑うクラスメイトの
「HAHAHAHAHA」が妙に低い大人声なのが気になってしょうがないよ。
結局ソウルドールも付いてない不良品と言われてしょげるシュウ。
牛乳瓶底メガネのハルカ先生も加わって賑やかです。


なんということでしょう。


ランシーン様が社長と密着し過ぎです。
カメラ引いたら配置が変わっているので
これは画面上に収めるための都合だったのでしょう。
わけもなくドキドキしてしまいました。

低ーい声のラン様と
低ーい声の社長。

悪代官と悪商人のように仲睦まじく笑っています。

ここで横道に逸れますが悪い商人と言えばどんな名前が出てくるでしょうか。
越後屋とか大黒屋とか桔梗屋が出てくるのではないでしょうか。
それ以外が出てくる貴方は通ですね。

ところがどっこい。

さる筋での時代劇の悪玉商人のリサーチで最も多い名前ベスト3は

1位 西海屋

2位 湊屋

3位 潮屋/河津屋/川本屋/真砂屋/三崎屋

だったそうです。

何だか海関係の名前が多いですね。
父方の先祖が回船問屋だったので何だかとっても気になります。

置いといて、
名前や見た目のイメージで人を判断してはいけないということですね。
ランシーン然り、社長然りです。

ついでに蛇足ながら善玉商人のベスト3を。

1位 加賀屋

2位 和泉屋

3位 井筒屋/近江屋/淀屋

ソースを直接貼ると迷惑がかかるので興味のある方は
「納得いかない 御主も悪よのぉ」でググって下さい。

…フフフ。バカだな 私。


そんなこんなで3人組とシュウ様御一行が接触です。

名刺もBBって書いてあるし。

メグが金で懐柔しようとするBBを警戒して謎の発言を。
「それに小指立ててるし」

立てちゃ駄目ですか。立てると怪しい人認定ですか。
それとも監督得意の何かいわく付きのギャグですか。

その後シュウとはぐれたマックとメグは警察行かずにハルカ先生を頼ります。
先生どうやったらそんな風に早く着替えられるのか教えて下さい。

広告塔に追い詰められたシュウ。
いよいよシロンの召喚です。

と、その前にゴブリン。
タリスポッド手渡しする総務さんがいい味だしてます。
広告塔の上にまでサッと現れサッと消える。
この作品の中では最もマトモで最も人類の常識を無視した人だと思います。

さぁ、風がシュウに向かって吹き初め、白く巨大な影が

ねずっちょになります。


ランシーン…きっと見てたよね。
ショックだったろうな。


その直後、リボーンされたムチムチシロン。

んふふふふふふふふふふふふふふ


ランシーンとっても嬉しそう…。


シロン。その落下はカメラ位置からして危険です。

シロン。そんな祭りでぶつかった子供に因縁付けるような話し方はおやめなさい。

ハルカ先生。お嫁入り前の妙齢の女性が
そんな恰好でそんな言葉を言ってはいけません。

ああいけない。叱られて育った体質でつい口が出てしまいます。

「いくぞ」

「どこへですか?」

気持ちバラバラ。

敵をやっつけた後、メグはパニック状態。
とりあえず写真を撮り出します。

ああ、そうか。
メグにとって一番精神を落ち着ける日常的な行為は写真を取ることなのか。

写真を取る=受け入れる

ということなのかもしれません。

主人公シュウが気絶したままEDです。
シロンはシュウをパチモノのサーガであるかのように訝しがっています。




ところで次回予告で英語A太と話しているのは監督でしょうか。

第2話へ続く




作成完了日:2006/05/22